2021 / 08 / 31

「渋谷カブキ音頭」の歌詞解説

 作詞をしました鈴木自らが解説します。「わかること」=「楽しめること」ではないので、そんなにしつかりと勉強しなくても大丈夫ですが、より深く知りたい方はゼヒ読んでください。

●「あありゃ、こおりゃ」……歌舞伎(かぶき)でヒーローが登場(とうじょう)する時に、みんなでこのコトバを合唱(がっしょう)して呼びこみます。「化粧声(けしょうごえ)」といいます。

●「でっけえ」……歌舞伎で一番のほめコトバは「大きい」ということ。
 「大きい」→「でっかい」→「でっけぇ」ですね。

●とうとうたらり……みんなが平和(へいわ)にくらせる呪文(じゅもん)のようなコトバでもありますし、滝(たき)の水がながれる音ととることもできます。

●神の水……渋谷区の神泉(しんせん)は、むかし泉がいっぱいあり、コンコンと水がわいていたようですよ。

●春の小川……「春の小川」のモデルとなった川が渋谷区にあったのは、知ってますよね。

●まわる水車……渋谷は水が豊富だったので。水車も名物。いま「ウラハラ」とよばれている隠田(おんでん)の水車は、葛飾北斎(かつしかほくさい)も描きました。

●男伊達(おとこだて)・女伊達(おんなだて)……「伊達」は戦国武将(せんごくぶしょう)の伊達政宗(だてまさむね)のこと。とにかくこの人はおシャレで、強くもありました。そんなカッコイイ男を「男伊達」、そして男なみに強く、また美しい女性を「女伊達」といったのです。

●カブキ……歌舞伎(かぶき)という言葉はここからきました。カブキは「傾き」と書きます。何かが傾(かたむ)くように、普通(ふつう)じゃないことをやって、人を驚(おどろ)かすことです。そしてそのような若者(わかもの)を「カブキ者」といいました。

●「知らざぁいってきかせやしょう」……イミ「もし知らなければ、教えてあげましょう」。歌舞伎の「弁天小僧(べんてんこぞう)」というお芝居(しばい)の有名(ゆうめい)なセリフです。おぼえておきましょう。「ふん、オレ様の名前を知らないというなら、今から名乗(なの)ってきかせるから、おぼえておけ」 という場面(ばめん)です。

●待ってました……今はコロナで客席から舞台へ応援は出来ませんが、普段はお客さんが役者さんに声をかけて応援したり、ほめたりします。見たかった役者さんが登場したら「待ってました」ですね。

●主の帰り待つ犬……ご存じ「忠犬ハチ公」のことです。渋谷駅前に銅像がありますね。またアメリカで映画にもなりました。

●こりゃまたなんのこった……「助六」というお芝居に出て来るセリフです。「これはまたどうしたことだ(フザケルナ)、あきれた」という感じでしょうか。

●いずれアヤメか……見分けがつかないほど美しい人とか物が揃っている状態を「いずれアヤメかカキツバタ」と言います。

●花菖蒲(ハナショウブ)……渋谷区の区の花です。覚えておいてください。ところで同じ字「菖蒲」と書く「ショウブ」と「アヤメ」。「ショウブ」はサトイモ科で、「アヤメ」はアヤメ科。それで「ハナショウブ」はアヤメ科。面倒くさいですね。 

●金王桜……金王八幡神社に江戸時代に有名だった金王桜が今でもあります。一重と八重が交じった桜。この一木を見に江戸中の人が渋谷を訪れたといいます。

●強者の勇姿……渋谷の土地を拓いたと言われる渋谷金王丸の活躍のことをさしてます。

●「暫く」……歌舞伎十八番「暫」のセリフです。オリンピックの開会式で市川海老蔵さんが演じていましたね。悪者をこらしめようと、この一声を発して正義のヒーローが登場します。

●六方(ろっぽう)……歌舞伎の歩き方です。右手と右足、左手と左足、同じがわの手足を同時に出して前に元気よく進みます。いま皆さんは、右手と左足、左手と右足と、違(ちが)うがわの手足を出して、行進(こうしん)しますよね。でも、江戸時代には、同じがわの手足を出して歩いていたという説もあります。

●大見得(おおみえ)……ひときわ大きくハデに「見得」をすることです。歌舞伎には「見得」という演技があります。映画(えいが)やテレビでいうところの「ストップモーション」と「クローズアップ」を同時にやるような感じで、いやおうなく役者(やくしゃ)の演技(えんぎ)、とくに顔(かお)に注目(ちゅうもく)があつまります。それはまさにお不動(ふどう)さまなどの仏像(ぶつぞう)の顔(かお)であり、そういう超人的(ちょうじんてき)なパワーをもつ顔といってもよいです。なので、お不動さんと同じように、片方(かたほう)の目で天をにらみ、もう片方の目で地をにらんでいるのです。

●まず今日はこれぎり……「今日」は「こんにち」と読みます。「コンニチハ」は「今日は良いお天気ですね」の縮まったものです。昔の歌舞伎は最後まで終わらなくても、日が沈めば終演です。「まず今日はこれぎり(今日はもう終わりです)」と挨拶があり、お客さんは仕方なく帰ります。

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2021.02.07 伝承ホール寺子屋 オンライン学習プログラム「やしょめ寄席」公開中(2/7~3/31)
2021.01.01 2020渋谷金王丸伝説公演の動画をアップいたしました。
2020.09.21 「渋谷カブキ音頭」チェックポイント3をアップロードいたしました。
2020.09.16 「渋谷カブキ音頭」チェックポイント1をアップロードいたしました。
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2020.09.09 「渋谷カブキ音頭」の振付お手本動画をアップロードいたしました。
2020.09.06 高泉淳子さんと江ノ上陽一さんインタビュー記事をアップロードいたしました。
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